ドイツ経済を襲う景気後退の不安

2018年後半からの株価急落はとりあえずの落ち着きを見せましたが、世界経済にはまだまだ様々なリスクが存在します。

なんだかんだでこれまでと同じペースで継続中のアメリカのバランスシート縮小プログラム、追加利上げの有無、米中貿易摩擦、難航するイギリスのEU離脱など。

そんな中、新たな不安要素として注目しておきたいのがドイツの景気減速です。

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成長率の鈍化

これまでEU域内の経済を引っ張ってきたドイツですが2018年以降から、その成長に陰りが見えてきました。

2018年7~9月期のドイツのGDPは前期比で-0.2%の伸び率でした。

そして2月14日に発表された10~12月期のGDP伸び率は前期比で0%。

かろうじて二期連続のマイナス成長は回避され、リセッション(景気後退)入りは免れた形です。

ちなみに2018年通年での成長率は+1.5%と5年ぶりの低水準となりました。

輸出の落ち込み

成長率減速の中身を見るとその原因が見えてきます。

最も顕著だったのが製造業の落ち込みで、それは製造受注指数が2ヶ月連続でマイナスになったことからも明らかです。

自動車や電子機器、機械などの製造業はドイツの最も重要な主要産業の1つであり、この落ち込みはドイツ経済の先行きを考えると大きな不安材料となりそうですね。

また家計消費や政府支出、企業の設備投資などの内需は増加した一方で、輸出の伸びが大きく落ち込み、+4.6%から+2.4%へと減速しています。

ほぼ半分ですね(笑)。

近年、好調を維持してきた輸出が鈍化するということは、ドイツにとってかなり深刻な問題かもしれません。

ドイツ経済の偏った構造

ドイツの経済は財政基盤が堅固で安定しているイメージがあります。

しかし、実態は内需が高いとは言えず、輸出に依存する構造となっています。

例えば、アメリカの輸出依存度は約8%程度。

さらに貿易立国というイメージを持たれがちな日本の輸出依存度は意外かもしれませんが、約13%ほど。

日本もアメリカも完全に内需中心の国といえます。

これに対してドイツの輸出依存度は約40%とかなり高い!

これだけ輸出依存度が高ければ、世界経済などの外部要因に大きく左右される構造であることは言うまでもないでしょう。

もちろん、景気低迷には様々な要因があるでしょうが、最近の世界経済の減速や米中貿易戦争などの外部要因が輸出の減少に影響していると考えられます。

特にドイツは中国向けの輸出の割合も高いので、米中の対立には敏感に反応しそうです。

さらに同じように輸出先として割合の高いイギリスのEU離脱の問題も控えており、不安要素は少なくありません。

まとめ

今回はドイツ経済の失速について書いてみました。

とりあえずは二期連続のマイナス成長は回避できたというのが現状です。

依然としてドイツの失業率は最低水準であり、内需については引き続き好調が維持されそうなので、必要以上に警戒することはないのかもしれません。

しかし、世界経済の減速懸念や米中貿易戦争、イギリスのEU離脱など外部環境によっては状況が悪化する可能性も十分に考えられます。

さらにフランスの長引く政情不安やイタリアのリセッション入りなど、頼みのユーロ圏についてもリスク要因がみられます。

これまでドイツは高い生産力に不相応な安い共通通貨ユーロを利用して、ユーロ圏内において一方的に輸出を伸ばしてきましたが、そのモデルにも陰りが見えてくるかもしれません。

いずれにせよ、注視しておきたいところです。

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