トルコリラ急落!政治やファンダメンタルズではない根本的な原因とは?

2018年に入ってから新興国の通貨、株、債権が大きく下落していますね。

特に日本でも人気のトルコリラの急落は凄まじいものがあります。

このトルコリラ急落の原因については、いろいろな論評があるようです。

その中で主な原因として挙げられていたのが、

・アメリカとの関係悪化と関税の問題

・エルドアン大統領再選による国内の経済政策の問題

でした。

アメリカとの政治的な問題や国内の経済政策の問題は今回の急落にダイレクトに影響を与えているのは間違いないでしょう。

これに関して異論を挟むつもりはありません。

ただ個人的には、これら以外にリラを下落させている根本的な原因が1つあると考えています。

いろいろな記事を見ましたが、その事について書かれている記事が少なかったので、ここに書いておきたいと思います。

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ファンダメンタルズは悪くない

現在のトルコは通貨リラが最安値を更新し、国債が売られ長期金利が上昇し、平均株価も下落しているという状況です。

これに対して、

「トルコのファンダメンタルズは決して悪くないのに、なぜこんな惨状になるのか?リラは過小評価され過ぎなのではないか?」

というような意見をいくつか目にしました。

これは全くそのとおりで、トルコのファンダメンタルズは悪くありません。

2017年のGDP成長率はなんと7%!

バリバリ成長してますね。

この数字は新興国の中でも非常に高いものとなっています。

あ、ちなみにファンダメンタルズとは経済の基礎的な条件の事で、国で言えば経済の成長率や失業率、物価上昇や財政などの状態を示すものです。

要するにその国の経済のコンディションを表すものだと理解してください。

トルコの場合、成長率はたしかに高いですが、高インフレで経常収支の赤字も拡大気味。

とはいえ、総合的に見てファンダメンタルズが悪いと言うほどでもない。

ましてここまで為替、債権、株のトリプル安が止まらないほどの悪い要因は見当たりません。

そうなんです、おそらく今回のトルコリラの急落にはファンダメンタルズはほとんど関係ないんです!

少なくとも僕はそう考えています。

ではトルコリラ急落の根本的な原因とは何なのか?

それは、アメリカの金融引き締めです!

はい、このブログの読者の方ならおなじみですね(笑)。

新興国からの資金流出

トルコリラの下落は根本的にはアメリカの中央銀行FRBによる、利上げとバランスシート縮小という超強力な金融引き締め政策によって引き起こされたと考えられます。

このブログでもこれまで何度も金融引き締めの影響についてお話してきましたが、ざっくり説明しておきます。

2008年のリーマンショックの後、アメリカは不況を脱するために世の中に大量のお金を流し込む金融緩和という政策を行いました。

世の中のお金の量が大幅に増えることで、たくさんのものが売れて消費が増え、様々なところへの投資が増えるようになり、経済が活性化しました。

これにより、不況から回復したアメリカは好景気となり、経済は絶好調になります。

ただ好景気も行き過ぎると過熱する恐れもあるため、今度は経済を引き締める政策に転換されました。

それが金融引き締めです。

具体的には利上げバランスシート縮小という政策によって、これまで世の中に大量に流し込んでいたお金の量を減らしていくという政策です。

利上げは2015年12月から、バランスシート縮小は2017年の10月から開始されています。

これがトルコリラの急落とどういう関係があるのか?

これまで金融緩和によって世の中に大量に流し込まれたお金が、トルコなどの新興国の通過や株に投資されていたわけです。

しかし、金融引き締めに転換されたことによって大量のお金の流入がストップします。

大量の資金流入があったからこそ、リスクが高くても新興国の通貨や株などが買われていたわけで、その流れが無くなれば投資家達はリスクを回避するため、トルコリラなどを売ってドルや円を買うようになるわけです。

さらに利上げによってアメリカの国債の金利が上昇しています。

安全なアメリカ国債の金利が上がれば、無理してリスクのある新興国の通貨などに投資するよりも、アメリカ国債を買う動き(ドル高)になるのも当然でしょう。

こうしてトルコだけではなく、アルゼンチンや中国などの新興国から資金が流出して通貨安や株安が起こっているわけです。

対米関係はきっかけに過ぎない

もちろんアメリカとの関係悪化とそれに伴う報復関税は大きな問題ですし、今回のトルコリラ急落に直接影響を及ぼしているのは間違いありません。

しかし、それはリラ急落のきっかけに過ぎないというのが正確な見方だと思います。

仮にアメリカとの関係に改善が見られれば、リラの下落もとりあえず一時的に落ち着くとは思いますし、場合によってはかなり値を戻す可能性もあるかもしれません。

しかしFRBによる超強力な金融引き締めが継続されている以上、新興国からの資金流出という大きな流れはこれからも続いていくものと思われます。

したがってトルコリラの下落基調は継続していくでしょう。

まとめ

今回のトルコリラの急落は直近の情勢だけを見ていると、対米関係悪化によるものだけだと考えてしまいがちです。

しかし世界的な大きな視点で金融政策や資金の流れを把握していれば、この急落の根本はアメリカの金融引き締めによるものだと理解できるはずです。

今回の件で明らかになったのは、これまであまり目に見えてこなかった利上げとバランスシート縮小という超強力な金融引き締めの影響がここにきて目に見えて現れてきたということですね。

現在も金融引き締めはガンガン継続中ですので、これからの展開がどうなっていくのか非常に興味深いところです。

・・・まあ、このブログを読んでくださっている方にとっては、この先の展開がどうなるのかなんてわかりきっているとは思いますが・・・(笑)。

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