「日本がもっと不景気になってほしい!」
「もっと多くの国民が貧乏になってほしい!」
「金持ちと貧しい人の格差がもっともっと拡大してほしい!」
そんな願望をもっている人がいるとしたら、その人はおそらく消費税増税(引き上げ)に賛成するでしょう!
その理由は消費税増税には、日本経済に大打撃を与え、国民を貧しくし、格差拡大を進めるための驚異的な攻撃力が秘められているからです!!
そして2019年、その消費税が8%から10%へと引き上げられることで、よりパワーアップして実行されようとしています!
家計と企業への同時攻撃で確実にダメージを与える
なぜ消費税を引き上げると日本経済に大打撃になるのか?
それを知るためにまず消費税とはどんなものか簡単に確認してみましょう。
消費税とは文字通り消費することで発生する税金です。
物を買ったときにその値段の数パーセントが税金として上乗せされる仕組みになっています。
今だと8%なので、100円のものを買ったら8円が消費税として上乗せされて108円を支払うことになります。
これが10%に引き上げられれば、110円を支払わなければなりません。
「その程度でほんとに日本経済に大打撃になるの?」と思うかもしれませんね。
はっきり言いましょう。
家計と企業への同時攻撃で確実にダメージを与えます(笑)。
まずは家計へのダメージですが、わかりやすく大ざっぱな例をあげますね。
例えば、毎月50,000円くらいお金を使っているとします。
内訳は外食、洋服、お酒、生活雑貨等だとします。
この50,000円に現在の消費税8%がつくと、54,000円になります。
毎月4,000円が消費税となり、年間48,000円が消費税としてとられることになります。
これでも結構えげつないですね(笑)。
ここから消費税が10%に引き上げられると、55,000円になります。
毎月5,000円が消費税となり、年間60,000円が消費税として吸い取られるんです!
おお~、48,000円でもきついのに60,000円にアップするとなかなかに嫌な攻撃です。
消費税が引き上げられたら、毎年これくらい取られ続けるということです。
これはあくまで毎月50,000円で計算してますが、時には家具や家電などもっと高額な買い物もしますよね?
その時は当然、消費税で取られる額も大きくなります。
ちなみに現在の大手銀行の普通預金金利が0.001%ですので、仮に100万円銀行に貯金したとすると1年間でもらえる利息は10円になります。
100万円銀行に預けて1年間で10円しか利息がつかない世の中ですよ?
なのに年間60万円使っただけで、6万円が消費税として取られるんです!
そう考えると消費税2%アップがいかにえげつない攻撃かわかりますよね。
でも、消費税増税の真の力はこんなもんじゃありません(笑)。
家計よりも企業に対してより強烈なダメージを与えます!
例えば飲食店なら食材、工場なら資材、というように商品をつくるために家庭とはケタ違いの量の材料を毎日購入しています。
また新しい店舗をオープンしたり、新しい機械を導入すると数千万円レベルの費用がかかったりします。
大ざっぱに言って、それら全ての経費が2%値上がりするわけですよ!
それを年間で考えると、とてつもなく負担が増えることがわかりますよね?
さらにえげつないことに、特に中小企業はこの2%の値上がり分をお客さんに請求することができません。
どういう事か説明します。
例えばこれまで108円で仕入れた材料を商品に加工して150円でお客さんに売っていたとします。
この場合、単純計算でこの会社の利益は42円になります。
そして消費税が2%上がった場合、材料費が110円に値上がりするので、これまでと同じ利益を出したければ152円でお客さんに売りたいところです。
しかしそれをやってしまうと、お客さんから
「値上げするなら他の会社から買うから」
と言われてしまうので、値上げしたくてもできないんです。
したがってこの2%の値上がり分はこの会社が負担するしかないので、利益は40円に減ってしまいます。
仮にこの商品が1日に数千個売れている商品であれば、利益の減少もより大きくなります。
経営が苦しい中小企業では、これだけで致命傷になりかねません。
消費増税は立場の弱い人達に真っ先に致命的なダメージを与えます!
いやぁ~、タチ悪いっすね!
デフレの時には追加ダメージを与える
デフレって知ってます?
簡単に言うと、不景気でみんなが節約するので物が売れなくなる現象です。
物が売れなくなると以下のようになります。
物が売れなくなる
↓
企業の利益が減る
↓
社員の給料が減る
↓
給料が減った人がさらに節約をする
↓
さらに物が売れなくなる(以下ループ)
要するに物が売れなくなって、企業の業績が悪くなって、みんなが貧乏になっていくのがデフレです。
最悪ですよね?
このデフレの時に消費税増税すると、経済に追加ダメージを与えます!
具体的には、さっき説明した最悪のデフレをさらに加速させるんです!!
考えてみてください。
ただでさえ物が売れなくて給料も減っているデフレの時に、さらに消費税が2%値上がりするんですよ!
普通に考えたらみんなどうすると思いますか?
さらに節約して、今よりもっと物を買わなくなりますよね。
するともっと企業の経営が悪化して、もっとみんなの給料が減らされて、もっとみんなが貧乏になっていくんです!
怖いですね~。
これ、絶対デフレの時にやっちゃダメなやつじゃないですか~。
・・・あ、今の日本ですか?
絶賛、デフレ中です(笑)。
この追加ダメージはまるでボディブローのように、じわじわと時間をかけて経済にダメージを蓄積させていきます。
ちなみに現在のデフレは1997年の橋本龍太郎内閣の時、消費税増税(5%)を中心とした構造改革が大きな原因であると言われています。
つーか、これも消費税が絡んでるじゃん!
当時はバブルから立ち直りつつある時期だったようですが、消費税増税でどん底に叩き落されたってことですね。
追加ダメージ恐るべし・・・。
特殊効果「上げても増えない」
よく消費税増税の理由として
「財源の確保のため」
「税収を増やすため」
という話を聞きます。
つまり、現在の税収では足りないので、国の財政を安定させるために税収を増やしたい。そのために消費税を増税したいということですね。
なるほど、一見筋が通っているように聞こえます。
これを聞けば一般の国民は
「だったらしょうがないな。消費税増税はきついけど、我慢するしかないよね。」
と思いますよね。
でも、実際は・・・
増税しても税収増えないっす!
消費税そのものの税収は確かに増えるんですが、国全体の税収は増えません。
正確に言うと、消費税を引き上げた直後の1~2年は少し増える時もありますが、その後は何年も減少を続けますので、結局税収は増えません。
初めて消費税が導入されたのが1989年で、この次の年の国全体の税収は確かに増えて、約60兆円でした。
しかしその後、1997年に5%、2014年に8%と2回の増税がありましたが、一度も税収が60兆円を超えたことはありません。
なぜ消費税増税で全体の税収が減るのかというと、物が売れなくなり企業の利益が減るので法人税の税収が減ります。
さらに企業の利益が減ったことで、社員の給料が減るので所得税の税収が減ります。
結果、消費税の税収自体は増えても全体の税収は減ってしまうのです。
「でもそれは消費税だけが原因じゃないだろ!」という意見もあると思います。
確かに、バブル崩壊やリーマンショックなど他の影響はもちろんありますし、全てが消費税のせいだと言うつもりもありません。
しかし少なくとも長期的には、
消費税を増税しても税収は増えないという事実
は変えられないんです。
これが「国の財源のためなら増税も我慢しよう。」と思った国民に対する「増税しても税収は増えない」という特殊効果のカラクリです。
この効果は特に精神的なダメージが大きそうですね。
まとめ
以上、消費税増税が日本経済に与えるダメージの凄まじさが理解できたと思います。
ここまで読んできて、疑問に思いませんか?
消費税増税はこれだけの悪影響があるのに、なぜ新聞やテレビなどの大手マスコミはこれを厳しく批判しないのかと。
実は、新聞は消費税増税を免除してもらえるんです!
そりゃ、反対しないですわ(笑)。
だって下手に反対したら消費税増税を免除してもらえなくなるかもしれないから。
積極的に賛成している新聞が多いのもこれで納得です。
まあ理由はどうあれ、
新聞は国民に対して消費税増税の必要性を訴えておきながら、自分達は消費税増税を免除してもらえるというのが事実です。
テレビや新聞でもっともらしく消費税増税に賛成していたら要注意ですよ(笑)。
消費税が10%に引き上げられるのは、今のところ2019年の10月の予定です。
実際に導入されるまでまだしばらく時間がありますが、今度の選挙で争点の1つとなっています。
何よりも僕たちの生活にダイレクトに影響がある事なので、実施されたらどういうことになるのかしっかりと理解しておきたいですね。