短期投資であれ長期投資であれ、株で成功している方がほぼ必ずと言っていいほど1番重要なことは資金管理であると言います。
1番重要な事が銘柄選びでも、売買のタイミングでもなく、資金管理というのはちょっと意外かもしれません。
しかし、この資金管理をしっかりとやるかやらないかでは、結果に大きな差がでてきます。
もちろん銘柄選びや売買のタイミングを見極めることも大切な事ですが、それらと比べてはるかに重要な事です。
今回は投資を行う上で最も重要な資金管理についてお話ししたいと思います。
資金管理とは
資金管理とはそれぞれの金融資産をどのくらいの比率で保有するのか、その割合を決めて運用するという事です。
値動きやリスクの異なる対象に分散して投資することで、資産全体のリスクを軽減し、確実に利益を上げやすい体制をつくることができます。
これをアセットアロケーションと言います。ちなみに各資産がどの商品(株なら銘柄)で構成されているかを表すものをポートフォリオと言います。
まぁ概念さえ理解していれば呼び方なんて資金管理と言おうが、アセットアロケーションと言おうがどうでもいいんですけどね(笑)。一応、ご参考までに。
この資金管理ですが、例えば投資に使えるお金が100万円あったとします。
このうち40%(40万円)を株に、20%(20万円)を債権に、20%(20万円)を金(ゴールド)に、残りの20%(20万円)を現金で持っておく、というように資金を配分するわけです。
この時どの資産をどのくらいの割合で保有するか、しっかりと考えて決める必要があります。
人によって取れるリスクの大きさは違いますので、これといった正解はありません。
ポイントとしては、異なる値動きをする資産を購入すると良いでしょう。
そうすることでリスクを分散させることができます。
例えば一般的に株に対して債権や金は逆の動きをするので、仮に株が値下がりした場合、債権や金は値上がりするので資産全体の損失を抑えることが出来るというわけです。
そういった事を意識してどの資産をどのくらいの割合で保有するかを決定します。
ここまできてようやく、どの株を買うか銘柄を選んでいくことになります。
資金管理で投資パフォーマンス向上
以上のように資金の配分を決めて、株の銘柄を選定して購入したわけですが、当然ながら各金融資産の価格は日々変動します。
そのため時間とともにそれぞれの配分比率が変わってきます。
例えば株価が上昇して金の価格が下落すると株の保有比率が高くなり、金の保有比率が低下します。
この時、値上がりした株の一部を売却して値下がりした金を購入することでそれぞれの保有比率を一定に保つことが重要です。
こうすることで資産全体のリスクの軽減と安定感を維持することができますし、値上がりしたら確実に利益確定して、値下がりしたら買うという投資における2つの原則を自動的に行えるようになります。
しっかりとした売買ルールができるので、変なタイミングで売却したり、衝動的に買ってしまうことを防げます。
ただ中長期投資では保有する銘柄がぶっちぎりで値上がりを続けた場合、このやり方ではどうしても途中で売却することになります。
すると本当はもっと値上がりして大きな利益を得られるはずが、ある程度利益が限定される可能性があります。
これを抑えるためには、ちょっとした価格の変動で頻繁に比率を調整するのではなく、例えば保有比率に10%以上の変動があった場合に調整をするというようにある程度の幅をもって行うと良いと思います。
まとめ
資金管理の流れをまとめます。
①株や債権、金などの金融資産のうち、何を保有するか決める。なるべく違う値動きをする物を選ぶ。
②保有を決めた金融資産をそれぞれ何%くらいずつ保有するか決める。
(例:株40%、債権30%、現金30%など)
③株の銘柄を選んで購入する。
④日々の値動きで保有する資産の割合が変動したら、売却や購入をして一定の比率に調整する。
(例)
株50%、債権20%、現金30%
↓
株を売却して債権を購入
↓
株40%、債権30%、現金30%
このように保有する比率を自分なりに決めて、その比率が一定になるようにバランスを取りながら運用することが投資における資金管理の基本です。
先ほども述べたように比率の決め方に正解はありませんが、重要なのは自分で決めた比率なりルールなりを守って運用することです。
それができれば投資経験が浅くても、売買タイミングが下手でも、銘柄選びのセンスが無くても、確実に投資パフォーマンスは向上します。
なぜなら何度も言いますが、投資の成績を決定づけるのは売買のタイミングや銘柄選択よりも資金管理の影響が圧倒的に大きいからです。
資金管理は最も重要であるとともに、投資を行う上で基本中の基本になるのでしっかりと理解して実践したいですね。