2017年も好調な株式市場!?トランプラリーはいつまで続くのか?

年が明けて2017年の株式市場もスタートしました。

大発会の終値はなんと400円以上の値上がり!

昨年末の記事(アメリカ利上げを決定!バブル崩壊へのカウントダウンか?)で年明けからアメリカ株の暴落が始まるかもといった僕の予想は見事に外れました(笑)。

しかも6日発表のアメリカの雇用統計によると平均賃金は前月比で0.4%、前年同月比で2.9%増加。これをうけてダウ平均株価は一時2万ドルの大台まであと一歩のところまで迫りました。

 

止まらないトランプラリー

いや~下がりませんね。はたしてこの勢いはどこまで続くんでしょうか?

冷静に情報をみていくと6日発表の各経済指標は決して良いものばかりではありません。
まず、先述した雇用統計ですが確かに平均賃金は増加していますが肝心の非農業部門雇用者数は15.6万人増で、市場予想の17.8万人増からは大きく下回っています。

一日前の5日発表のADP全国雇用者数も市場予想17.5万人増に対して15.3万人増と同じように大きく予想を下回る結果でした。

失業率は市場予想通りとはいえ、前月比でわずかに増加。また製造業受注指数は前月比マイナス2.4%と予想より0.1ポイント減少しています。

こうしてみると決して良い指標とは言えないと思います。雇用者数については「アメリカはすでに完全雇用状態なんだから増加しづらくなるのは当然じゃん!」という理屈はもちろん理解できます。
また、株価は指標だけで動いているわけでもなく、不条理で理不尽なものであるというのも当然理解しています。

しかしそれでも全体としてみるとダウ平均を2万ドルに迫るまで押し上げるような要因がこの指標結果にあるとは思えないんですよ。普段であれば市場予想をこれだけ下回れば株価は下落してもいいくらいです。

ということはやはり期待が過熱していると僕は考えています。
年明けから株価が暴落するかもしれないという僕の予想は外れましたが(笑)、依然として大きなリスクがあることは変わりません。大して良くもない経済指標に敏感に反応している点などがそれを表しています。

 

この期待による過熱はいったいどこまで続くのか?

直近で一番の節目は間違いなくトランプの大統領就任式後でしょう。その時にはトランプ新政権の具体的な経済政策も判明するでしょうし、人事なども明らかになるでしょう。

ここでポイントとなるのは個人的には次の2点だと思います。

  • トランプ氏が選挙前に主張していた政策を本当に実行すると宣言するのか?
  • 仮に公約どおりの政策を実行すると宣言したとして、この過熱した期待感で上昇した株価をさらに押し上げることができるのか?

1点目はそのままで、選挙前に主張していた大規模な減税と老朽化したインフラなどへの公共事業を本当に実行に移せるのか?ということです。
もしこれを実行すると明言できなければ、大統領選以降の株価上昇の原動力となっていただけに株価は一気に急落するでしょう。

ただ、さすがにトランプ政権の肝の部分なのでここをスルーするとは考えにくいです。

 

問題は2点目です。

みんなが期待していたとおりの経済政策を実行すると宣言した場合、すでに期待感でいっぱいの株価をさらに上昇させられるのでしょうか?これには個人的にちょっと疑問が残ります。

そもそもトランプの経済政策にみんなが期待しているのは事実ですが、その中身に関しては人によってバラバラの予想をしています。

著名投資家の間でも、例えば金利1つとってみても「トランプは高金利を容認するだろう」と予想する人もいれば「公共事業をやりやすくするため、低金利に舵を切らせるだろう」と予想する人もいます。

これだけ多くの人が中身についてバラバラの予想をしている以上、トランプ政権の経済政策が示されても「え~!?思ってたのと違う!!」ってなる人も多くなると思うんです。

さらにこれだけ期待が高いと、ここからさらに上昇させるってかなりハードル高いですよね?

「あの映画めっちゃ面白いらしいよ!」と散々聞かされた後にその映画を観て、「確かに面白かったけど期待しすぎたわ…」ってなるのと同じことです。

 

もちろんこのブログでも何度も述べている通り、トランプの経済政策である大規模な減税と公共事業がしっかりと行われれば長期的にはアメリカの成長拡大はまず間違いないと見ています。
ただ短期的・中期的にみて今の株価を含めて考えると、かなりのリスクがあるように思えます。短期的な株価の動きなどは予想することはできないですが。

 

今年は他にもいろいろなリスクがあって気の抜けない一年になりそうです。
ヨーロッパでは数多くの選挙を控え、脱グローバリズムが加速するかもしれません。個人的にはEUはもう限界だと思います。

原油に関しても基本的には問題は解決しておらず、シェールオイル企業のリスクなどは引き続き残っています。

さらに中国では資本流出が激増しており、中国共産党は資本移動の規制を強め流出阻止に躍起になっているようです。

これらに関してもこのブログで後日、取り上げられたらと思います。

 

遅くなりましたが、今年もこのブログをよろしくお願いします!

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