ダウ平均2万ドル越え!2017年に警戒したいアメリカの不動産バブル

ダウ平均が史上初めて2万ドルを突破しました。
アメリカの長期金利も2.5%前後まで上昇しています。

今回はこの株価上昇の状況を確認すると共に、金利の影響を受けやすい不動産業界の指標についても見ていきたいと思います。

 

株価上昇の流れ

いや~凄まじいですな(笑)
トランプ新大統領が就任してから下落気味だった株式市場もここにきて一気に上昇に転じましたね。

流れとしては就任式では特にサプライズ的な発表はなかったので株価も下落気味になったが、その後原油パイプライン建設の推進を決定するなどインフラ投資を積極的に実行する姿勢に大きな期待が広がり、上昇に転じたって感じみたいですね。

このブログでも何度も述べてきた通り、インフラ投資を中心とした公共事業は間違いなく多くの雇用を生み、景気を活性化させ、経済を成長させるでしょう。

日本では真逆の政策をとり続けているのが本当に情けないんですが・・・。

 

公共事業のパワーとデメリット

公共事業はそれだけ大きなパワーを秘めています。
特にインフラ建設などの巨大プロジェクトは長期にわたるため、安定的な雇用が生まれます。雇用の創出は消費を拡大させGDPの中核となる個人消費を増やし、経済が成長していきます。

 

ただもちろんデメリットもあります。それは

  1. 金利が上昇する。
  2. 効果が現れるまで時間がかかる。

ということです。

1の金利の上昇についてですが、インフラ建設などは莫大な予算が必要になりますので、国債を発行して多額の資金を調達する必要があります。

国債を大量に発行すれば金利が上昇して景気に影響がでます。

具体的には金利の上昇によって借金返済の負担が増え、お金が借りづらくなり、民間の消費や設備投資が減る可能性が高くなるんです。

また2については公共事業は計画が承認されて実行に移されてから効果がでるまで時間がかかります。したがって即効性がありません。

この2つのデメリットはこれからのアメリカ市場を見る上でかなり重要なポイントになると個人的には考えています。

どういう事かと言うと、確かにトランプ大統領の財政政策は理に適っているし効果的だと思います。ただ実際に効果がでるまで時間がかかる。その間に金利の上昇などを原因とした経済危機が起こるんじゃないか?と気になっているわけです。

 

財政政策のデメリットとして金利の上昇を挙げましたが、本来は金融緩和と併用することによって上昇を抑えることができます。要は政府が大量に発行した国債を中央銀行が買い取って、金利の上昇を抑えるわけです(量的緩和)。

しかしアメリカの中央銀行FRBは現在、量的緩和を終了しており金利の上昇を抑えるどころか利上げを行っている最中です。FRBは2017年中に複数回の利上げを想定しており、このままいけば今以上に金利が上昇することになる可能性が高いと思います。

トランプ政権はこの金利上昇を容認するんでしょうか?

現時点ではわかりませんが仮に金利上昇を放置したならば、公共事業の効果が現れる前にバブル崩壊のような金融危機になる可能性があると思います。これまでこのブログで述べてきたとおりです。

逆に金利上昇を良しとせず、FRBに国債を買い取らせることになればそれはそれで金融政策の大転換というか逆戻りになりますので、市場は大混乱になるでしょう。

トランプ政権およびFRBが今後金利をどうするのかこれまで以上に注目です。

 

気になる不動産指標

そしてこの金利の上昇をダイレクトに受けるのが不動産です。

長期金利は住宅ローン金利と連動するため、金利と不動産は密接に関係しています。そこで、最近のアメリカの不動産関連の指標を確認したいと思います。

 

予想 結果
住宅着工件数 +9.0% +11.3%
建設許可件数 +1.1% -0.2%
中古住宅販売件数 -1.8% -2.8%
新築住宅販売件数 -0.7% -10.4%

まずは19日に発表された住宅着工件数は前月比プラス9.0%の予想を上回り、11.3%のプラス。

同日発表された建設許可件数は前月比プラス1.1%予想に対し、0.2%のマイナス。

次に24日発表の中古住宅販売件数は前月比マイナス1.8%の予想に対して2.8%のマイナス。

そして26日発表の新築住宅販売件数は前月比マイナス0.7%の予想に対して10.4%の大幅なマイナス。

 

住宅着工件数以外、すべて予想よりもマイナスの結果が出ています。唯一プラスだった住宅着工件数も建設許可件数を先行指標としているため、ここからマイナスに向かうことが予想されます。

これはあくまで個人的な見解ですが、やはり金利の上昇が影響し買い手が減少したと分析しています。その一方で住宅価格は中古、新築ともに前年比で上昇しています。

 

大ざっぱにまとめると不動産価格は高騰を続けているが金利の上昇によって購入者が買い控え、販売数が減少し始めている状況だと考えられます。

とりあえず金利の動向と不動産関連指標の推移は引き続き注目していく必要がありそうです。

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