7月23日、ボクシングWBA世界ライトフライ級タイトルマッチが行われ、チャンピオンの田口良一(ワタナベ)が世界ランキング第1位の指名挑戦者、ロベルト・バレラ(コロンビア)に9ラウンド24秒TKO勝利して6度目の防衛に成功しました。
今回はこの試合について書いていきます。
序盤から積極的に攻める
中継の解説陣は長谷川穂積、内山高志、そして現WBO世界ライトフライ級チャンピオンの田中恒成という豪華な3人!
そんな豪華な3人の前で、気合入りまくりの田口選手。
一方のバレラ選手は18勝(12KO)1敗の世界ランキング1位で、その1敗も微妙な判定での敗戦だったこともあり、自信満々でパンチを繰り出してきます。
おもしろい試合の予感!!
1R、自信満々で攻撃に出たバレラ選手に対して田口選手の強烈なボディがクリーンヒットします。
追撃のショート連打とさらにボディを的確にヒットさせて、まずは田口選手がペースを握りました。と言うか、この時点でバレラ選手はかなりボディ効いちゃってましたね。
その後4Rあたりまでは田口選手が積極的に攻めまくります。
中盤以降も主導権は譲らず
5、6Rになるとバレラ選手がなんとかペースを変えようと足を使って距離を取り始めます。
序盤の打ち疲れがでたのか田口選手は少し空回りし始め、相手をつかまえきれなくなりました。
ここで前回のカニサレス戦で足を使われて大苦戦したのを思い出し、ちょっと嫌な予感が頭をよぎります。
しかし、この試合の田口選手はそんな嫌な予感を見事に打ち消してくれました!
この展開からもう一段ギアを上げて再び攻勢を仕掛けます。
正直、田口選手にも序盤の打ち疲れは確実にあったと思いますが、持ち味である強靭なメンタルでペースをもう一度引き戻した感じです。もちろん、それには猛練習の裏付けがあってのことだと思いますが。
また、バレラ選手も序盤のボディが相当効いていたので、足を使っても短い時間しか田口選手のプレッシャーをかいくぐることはできなかったのかもしれません。
結局9R、バレラ選手の足が止まり連打を浴びたところでレフェリーストップが入り、田口選手のTKO勝利となりました。
若干レフェリーストップが早かった気がしますが、バレラ選手の心は折れていたようなので仕方ないですかね。
いや~、しかし田口選手のボディブローはえげつないですね(笑)。
顔面へのショート連打からボディへ繋ぐコンビネーションは素晴らしかったと思います。
統一戦実現なるか?
試合後、放送席にいた田中恒成選手がリングに上がり、田口選手の健闘を称え、両者共に統一戦を行う意思を表明しました。
実現したら最近じわじわと盛り上がってきている日本ボクシング界がさらに盛り上がるでしょう!
現実には放送局や団体間の調整など、いろいろとややこしいこともあるようですが、ぜひとも実現させて欲しいです。
本人達もそうですし、何よりボクシングファンが望む試合ですので!
ちなみに実力的には、現時点では田中恒成選手の方が上だと思います。
田中選手は拠点のせいなのか、ボクシングファン以外の人にはいまいち知名度は低いかもしれません。
しかし僕個人の印象では、現役の日本人世界チャンピオンの中で井上尚弥選手の次に実力と安定感、そして将来性のあるチャンピオンだと思います。
ただ田口選手も日本チャンピオン時代に井上尚弥選手とフルラウンド打ち合うタフなメンタルの持ち主ですし、世界チャンピオンになってからは数段レベルアップしています。そして今回の指名試合での完勝。
この2人がやれば面白くないわけがないですよ!
今年は8月に亀海選手対コット選手の試合や、9月の井上選手の全米デビュー戦など盛りだくさんですが、それに加えてまた1つ楽しみが増えました。
関係者の方々、実現よろしくお願いします!(笑)